「関係人口と二地域居住とウェルビーイング」

みなさん、こんにちは。
地方と都会に二分の一住むという選択
ココトココ事務局です。
先日、兵庫県が主催する「ひょうご関係人口フォーラム・交流会」に地域側の活動事例の発表をしてきました。150名近い人たちが参加されて、ソトコト編集長の指出さんのお話や、数々の事例発表のお話を聞けて大変有意義な時間でした。(風邪が長引き、体調は絶不調ではありましたが…泣)

そもそも関係人口とは何でしょうか。総務省の関係人口ポータルサイトによると、『移住した「定住人口」でも、観光に来た「交流人口」でもなく、地域と多様に関わる人々を指す言葉。地方圏は、地域づくりの担い手不足という課題に直面しているが、変化を生み出す人材が地域に入り始めている例も多くあり、「関係人口」と呼ばれる地域外の人材が、地域づくりの担い手となることが期待されている。(一部省略)』とあります。

※関係人口ポータルサイトより https://www.soumu.go.jp/kankeijinkou/about/index.html
そこで、地域側と当事者(二地域居住者なので)の立場から「関係人口」という言葉を(勝手に)分析すると、地域側から見れば、地域課題解決の期待値が膨らむ言葉に感じます。しかし「私は関係人口者です。」なんて言う人はまずいないし、地域側から見ても「どういうこと?」と、若干の違和感すら感じる(笑)。むしろ「私は二地域居住者です。」という言葉のほうが自然に聞こえる。この違いが面白いなと感じるのだが、その違いは、おそらく「暮らし」や人の「営み」といった意味合いが「二地域居住」のほうに強く滲み出るからではないのかなと思う。そのため、地域側は、関係人口を増やすという視点から入るよりも、まずは、その地に訪れる人(訪れてくれるような取り組みも重要だが)と地域の人が、お互いに関わる機会を積み重ねることで、より豊かな暮らしになることが重要であり、もっと簡単な言葉で言えば「お知り合い」「お友達」を増やしていくこと。それが結果的に「関係人口」であり、「ウェルビーイング」という言葉につながっていくのだろうと思いました。
※ウェルビーイング(Well-being)とは、身体的・精神的・社会的に良好な状態にあることを意味する言葉です。幸福度に近い言葉です。

指出さんのお話に、関係人口によってウェルビーイングを実感するためには、1)短中長の移動があること 2)サードプレイス的な居場所があること というお話がありました。実際に、「人は移動するほど幸せを感じる」という研究もあるほど、人間には環境を探求する欲求があります。そして、もう1つは、周囲から必要とされたり、地域社会との関わりを感じる、いわゆる「こころの居場所」の存在が必要不可欠なのだと思います。そのことは、私のよそ者歴13年の体験(東北の被災地での8年と兵庫県西脇市の5年)からも納得します。

地域づくりにおいて、よく使われる言葉に「風の人」「土の人」「水の人」という言葉があります。「風の人」は、地域には根づかず、外から種(情報や人)を運んでくる人であり、「土の人」は、その土地に根づく住人、地元の方々であり、「水の人」は、風が運び土へ蒔いた種に水をあげて育てる役目のことと言われています。私自身は「風にもなり、土にもなり、水もやる」感覚ですが(笑)、近くに居る人にも遠くに居る人にも「お知り合い」や「お友達」になることが、何より一番面白いと感じています。何か大勢の人から目が惹くような事象や特徴があれば、関係人口は一気に増えるでしょうが、そんなことは難しいだろうし、結局は、人と人との信頼関係の総和が重要だと思う。地道にコツコツと積み上げていくことが大事であり、それが有事の際には、特に役立つのではないかと考えます。
ご相談、質問などございましたら
「ココトココ」事務局までご相談ください。
「二拠点」経験者が、お話を伺います。
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