「住まいとつながり-広域避難者との交流会にて-」

みなさん、こんにちは。
地方と都会に二分の一住むという選択
ココトココ事務局です。
令和6年能登半島地震で自宅に被害を受け、主に大阪・兵庫に広域避難している皆様を対象に、4月5日(土)に交流会&相談会も兼ねた「いちご狩りバスツアー」を実施しました。いちご狩りの場所は兵庫県西脇市。神戸・大阪から車で1時間強の場所です。3月上旬から募集を開始し、最終的に15名のお申込みがありました。皆さまの出身地は、穴水・輪島・七尾・珠洲の方々です。今回の企画のきっかけは、昨年11月に兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科で実施した相談会のお手伝いに伺った際、石川県生活再建支援課の職員様との会話からでした。避難者の皆様は、能登半島の自然あふれる環境から、一転して都市に移り住まれています。生活は便利になったものの、逆にストレス等を抱えているかもしれません。そこで、土いじりや自然に触れる何かの機会があったほうがいいのでは?というお話から、今回の企画が実現しました。
気になる天候にも恵まれ、桜もいい咲き具合の中、西脇市特産の播州織やいちごも堪能いただくことができました。


また、相談会・交流会では、皆さんでお弁当を囲みながら食事をした後に、個別相談会も実施いたしました。

今回の企画で気づかされたことが3つありました。1つは、今回の参加動機に「同郷の言葉で気軽に話ができるから」という声が多数ありました。現在、仮住まいをしている周辺は当然ながら関西弁ばかりの環境です。周囲に気遣いせずに、慣れ親しんだ言葉で心置きなく会話ができる機会は、精神的にもとても健康的なんだなと改めて気づかされました。
2つ目に「楽しさの重要性」でした。今回は季節の旬もあり「いちご狩り」を実施しましたが、参加者の方から「遠足のような気分で楽しい!」という言葉をいただいたのが印象的でした。「いちご狩り」という言葉が、何か楽しそうな雰囲気を感じさせるのかもしれません。相談会・交流会は、一見すると問題解決が急務な人だけが参加対象のような印象があります。そうではなく、生活再建をするために、避難者同志や避難者と支援者との「ゆるやかなつながり」を構築するのならば、今回のような機会づくりも重要なのかもしれないなと感じました。
そして、最後3つ目に「石川県の職員様の存在の大きさ」でした。災害発生当初、石川県の対応に厳しいご意見や報道が多数ありました。今回の教訓を今後の事前対策につなげる必要性はあると思います。しかしながら、県職員の皆様が、金沢の地元のお菓子や1週間分の地元新聞等を用意など、微に入り細に渡り準備を進める姿勢に触れ、もし私が避難者だったら、心から嬉しく思うだろうなと思いました。職員の皆様も能登出身者で、実家が被災している方も多数おられます。自助・共助・公助という言葉がありますが、立場が違えど、このような緊急事態を、共に支え合い、助け合う姿勢は大事にしたいと思いました。そして有難いことに、イベント終了後、石川県職員の方から「いままでの交流会・相談会の中で、一番たのしい時間でした」という言葉をいただき、救われた思いがしました。

別件ですが、今回の機会を通して、仮住まい先の都道府県域が異なるだけで、仮住まいを無償提供できる期間が異なるという魔訶不思議な状況を知り、災害救助法の改正や統一した運用が急務だなと思いました。また、昨今、防災庁の設置が検討されていますが、想定外を想定内にしていくためには、何か楽しみも含めたインセンティブのある取組でないと人は動かないし動けないと思うので、官民連携で智慧を出し合いながら、互助ネットワークのような新たに取り組みが必要にも感じました。微力ながら私もチャレンジしてみたいと思います。
最後になりましたが、今回、ご協力いただきました西脇市社会福祉協議会様、兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科の先生・院生の皆様、大変お世話になりました。ありがとうございました。
ご相談、質問などございましたら
「ココトココ」事務局までご相談ください。
「二拠点」経験者が、お話を伺います。
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。